【イヤイヤ期対策】魔の2歳児にイライラしないためのたったひとつの心得

こんにちは!

保育士&モンテッソーリ教師のさちこです!

魔の2歳児

という言葉、子育て中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

イヤイヤ期

としても知られています。

今回は、イヤイヤ期の子どもに対するイライラがピークで育児をボイコットしたいレベルのあなたへ、イライラを軽減するためのたったひとつの心得をご紹介します!

イヤイヤ期とイライラ期

先日、2歳3か月の女の子のママといやいや期について話す機会がありました。

COCO友
COCO友

子どもがわざとイライラさせるようなことしてきて、毎日イライラしちゃう!

何か良い方法ないかなあ?

イヤイヤ期は子育てでぶつかる大きな壁のひとつです。

  • 「ごはん食べなさい」と言うとスプーンを投げる
  • 保育園に遅刻しそうなのにぐずって動かない
  • 「おむつはかない!」と逃げ回る
  • 何を言ってもとにかく「いや!」

魔の2歳児の荒れ狂いっぷりは枚挙にいとまがありません。

英語でも

Terrible twos(最悪な2歳)

なんて呼ばれていて、その恐ろしさは世界共通のようです。

そして、

子どものイヤイヤ期は、親のイライラ期

であるともいえます。

毎日一生懸命子育てをしているにもかかわらず、子どもに叩かれたり、「ママ嫌い!」なんて言われたりすると大人も嫌になってしまいますよね。

保育園でも、園児のお父さんお母さんとお話をしていると

「イライラしないようにと思っていてもイライラしてしまう」

「子どもにイライラしてしまって大人げない」

「こんなことでイライラするなんて親としての器が小さい」

といった声を聞くこともしばしば。

私たち大人は、なぜこんなにもイライラしてしまうのでしょうか。

イライラする理由① 子どもは親に従って当然と考えている

イライラする理由のひとつ目は

子どもは親に従って当然と考えているからです。

でもそう思うのは当然、というか、仕方がないことです。生まれてから今まで何もできない存在であった子どもたち。

大人が用意した食事を、大人が決めた時間に食べ、大人が用意した服を着て、お風呂に入れてもらう存在だったわけですから、ペットに対してお手やおかわりを求めるように、子どもたちにも、大人の言うことに従う従順さを求めるようになってしまいます。

しかし、私たちが忘れてはいけないのは、子どもといえど、ひとりの人間ということです。

ペットがある日突然「今日はドッグフードじゃなくて人間のごはんが食べたい!」と駄々をこねるようになることはありませんが、人間の赤ちゃんは成長して「オレンジジュースはいや!リンゴジュース!」と泣きわめくようになります。

「魔の2歳児」あるいは「イヤイヤ期」が到来するまでの数年間、大人がお世話をしてあげなければ何もできない、ある意味ではペットのような存在だった子どもにいつものように命令していたら「いや」「こうしたい」と自己主張をされ、これによって起こる様々な不具合を大人が勝手に「イヤイヤ期」という言葉で片づけているともいえます。

子どもには平気で

「なんで言うこと聞かないの!」

と言ってしまいますが、友達や家族(大人)にそんなこと言いませんよね。

子どものいやいやにイライラした時には、「子どもは大人に従って当然」と考えていないか自分に問いかけてみましょう。

イライラする理由② 子どもを小さな大人と考えている

イライラする理由のふたつ目が

子どもを小さな大人と考えてしまっているということです。

子どもに

「わざとこぼしたでしょ?」

「○○って言ってるでしょ!」

とよく言ってしまいますが、これはこどもが物事をすべて理解できていることが前提で話をしています。

心理学の研究で良く用いられるサリーとアンの課題をご存じでしょうか。

~サリーとアンの二人が部屋の中で遊んでいます~

  • サリーは自分の人形をカゴの中に入れて部屋を出ました。
  • サリーが出ていった後に、アンはカゴの中の人形を自分の箱の中に隠しました。
  • 部屋に戻ってきたサリーは、もう一度人形で遊ぶためにどこを探すでしょうか?

サリーはアンが箱の中に人形を入れたことを知らないので、かごの中を探すと答えるのが正解です。

しかし3歳児だと半数以上の子どもがサリーはアンの箱の中を探すと答えます。

3歳児の半数以上がサリーの立場に立って考えるのではなく、自分の見たままのことを答えてしまうというのは驚きではないでしょうか。

2歳になるころは言語の爆発と呼ばれる時期で一気に言葉を話せるようになってきます。意思の疎通が取れるようになると、子どもはなんでも理解していると錯覚するようになってしまいます。

しかしこの結果からわかるように、3歳ごろまでの子どもはまだまだ発達途上にあるのです。

大人の誤った認識が、魔の2歳児を作り出しているともいえます。

イライラする理由③ 余裕がない

もう一つのイライラする理由は余裕がないことです。

これは、時間的な側面と心理的な側面の両方が挙げられます。

職場でも自分に余裕があれば、重そうな荷物を持っている同僚に手伝おうか?と声をかけたり、困っている後輩にわからないことがあれば教えるよ。とアドバイスしたりできます。

しかし、自分がいくつも仕事を抱えていて忙しいときには周りを気遣う余裕がありません。

子育てにおいても、余裕がないときというのは子どもに目が向いていないものです。

そういったときに子どもは構ってほしいもっと自分を見てほしいという思いから、ぐずったり、わがままを言ったりすることがあります。

イライラしないための心得

イライラしてしまうのは

  • 子どもは親に従って当然と考えている
  • 子どもを小さな大人と考えている
  • 余裕がない

といった理由があるということをお伝えしましたが、子どもの言動や態度にイラっとした時に覚えておいてほしいのが

幼児は善の人である

ということです。

性善説という言葉をご存じの方も多いかと思いますが、性善説とは、人間の本質は基本的に善であるというもので、悪い心は後天的なものであるという孟子が唱えた説です。

大人はさておき、子どもに関しては性善説で考えましょう。

どうしてそんなことするの?

ダメってわかってるでしょ?

と言いたくなってしまいますが、子どもは善の人なので悪いと思っていることをわざとすることはありません。例えば、

こぼしちゃダメって言ってるでしょ!

という場合でも、子どもからしたら

わざと困らせてやろうというつもりはなく飲むつもりで持ってみたら予想より重たくてこぼれてしまったあるいは、傾けたら水が流れ落ちるのが面白くて傾けてしまったいったように、と手の動きや筋肉が未発達なためであったり、好奇心に巻けてしまったりといった理由で大人から見た「いたずら」をしている場合があります。

またこんなことして!

だめでしょ!

とイライラする前に、子どもは善の人であるという言葉を思い出して一呼吸おいてみてください。何か理由があったんじゃないかと寄り添う姿勢が子どものイヤイヤやかんしゃくを抑えることにもつながります。

子育ては思い通りに進まないことだらけです。

決して、器が小さくてダメな親なんて思わないでください。

真剣に向き合ってくれていることを子どもは感じ取ってくれています。

まとめ

ということで今回は魔の2歳児にイライラしないための心得をお伝えしました。

子育てをしていれば日々イラっとしてしまうことは必ずありますが

幼児は善の人である

という認識をいつも心の片隅に置いておきましょう。

イライラの原因となるトラブルが起きた場合にも、

「わざとやってる」

「悪いとわかっているのに」

と考えるのではなく、性善説に基づいて

「きっと何か理由があるはず」

と受け止めてみることから始めることをおすすめします。