【イライラ解消】イヤイヤ期を「敏感期」と捉えてみる

モンテッソーリ教育におけるイヤイヤ期

イヤイヤ期って、子どもは確かに何かが嫌なのかもしれないけど、大人もイヤですよね。

「どうしていつまでも泣き続けてるの?」

「いいかげんにして!泣きたいのはこっちだよ」

こんな声が聞こえてきそうです。

イヤイヤ期」以外にも、「魔の2歳児」Terrible two」など様々な言葉で表される2歳前後の子どもたち。

万国共通、すごい言われようでちょっとかわいそうな気もしますが(笑)

モンテッソーリ教育ではこれらの言葉の代わりに秩序の敏感期というものがあります。

秩序の敏感期とは

秩序の敏感期について、その定義や時期には幅がありますが、ひとつの記述を紹介します。

秩序に対する敏感期は、こどもが生後2歳になると見られるようになり、2年ほどの間持続しますが、3歳頃にとくにこれが顕著になるのがわかります。この時期を通じて、こどもは、時、空間における物の秩序に、情熱的ともいえる程熱心な関心を寄せるようになります。

E.M.スタンディング『モンテソーリの発見』

時期的には2歳ごろから始まって3~4歳まで続いていくイヤイヤ期と共通しています。

「時、空間における物の秩序に、情熱的ともいえる程熱心な関心を寄せるようになります。」

という説明はなんともわかりにくいものではありますが、

決まった時間がいいとか、いつもの場所がいいとかそういった普遍性を好むということ

と解釈してよいと思います。

モンテッソーリ自身もまた秩序の敏感期について以下のように述べています。

小さい子どもたちは、秩序に対する独特の愛を見せます。子どもたちはすでに1 歳半から2 歳のときには、はっきりした形でではなくても、外界の環境の秩序に対する要求を明らかに表現します。子どもは秩序が混乱している状態では生きていけません。無秩序は子どもを苦しめるからです。その苦しみは泣くことによって表わされます。死に物狂いに泣いて、そのたかぶりが長くつづき、ついには、ほんとうに病気ではないかと思う様子さえ示すことがあります。小さい子どもは、大人や年上の子どもが簡単に見過ごしてしまうような秩序の変化をただちに見て取ります。小さい子どもは明らかに、外界の環境の秩序に敏感なのです。その感受性は年齢とともに消えます。私たちが敏感期と呼ぶ、成長しつつある生物だけに見られる一時的な感受性なのです。

マリア・モンテッソーリ『幼児の秘密』

つまり、

「子どもたちは普遍性を求めていて、それは1歳半から2歳のころから既にアピールしている。そして、その普遍性への欲求が満たされなかった場合にイヤイヤが発動する。小さい子は大人が気付かないような細かい変化によく気づくけど、これは成長するときにだけ現れる貴重なものである。」

といったかんじです。

また、子どもがどんなに普遍性を求めているかについても語られています。

空間、時数、原因、その他のごくありふれた事実の体験を経ていない幼いこどもにとって生活とはどれほど戸惑いの多いものであることでしょう。 こどもは、この戸惑いすることばかりの世界で、わかったものから順に秩序づけをしようと、絶え間ない努力を続けます。ですから、こどもが発見したわずかばかりの秩序が壊されると、不機嫌になるのは無理のないことなのです。

E.M.スタンディング『モンテソーリの発見』

これは「せっかく知らない世界の特徴を覚えて慣れていこうとしてるのに変えないでよ!」

ということですね。

確かに、新しく入った職場で

「部長はメガネの七三ヘア、課長はパーマで色白・・・」

とメモしていたのに次の日には部長がコンタクトレンズになって、課長はストレートヘアになっていた、なんてことがあったら戸惑ってしまいますよね。

「え!誰これ!別人!?」みたいな。

イヤイヤ期でもイライラしないために

忙しいときや周りに迷惑を掛けたくないときなどに、イヤイヤが大爆発してしまうとかなりつらいですよね。

でも、

「イヤイヤ期だから何でもかんでもイヤイヤ言ってるなあ」

と考えるのではなく

「子どもはいつも通りが好きだから、なにかいつもとは違うことを感じて動揺しているのではないか」

と考えた方が子どものいやいやの解決にもつながりやすく、イライラは格段に減らすことができます。

具体的ないつもとちがうことは、例えば

  • 保育園へ行くルートがいつもと違った
  • いつも父親が座っている椅子にお客さんが座った
  • いつもは体を洗ってから湯船につかるのに、最初から湯船につかった
  • 靴下の左右履く順番が逆だった
  • お母さんがコートを手に持っていた(本来着るべきものなのに)
  • (いつもする)いただきますをせずにごはんを食べ始めた
  • いつも四角に切っているパンが三角だった
  • お箸やスプーンがいつものと違った
  • 外出時(いつも帽子をかぶるお母さんが)かぶらなかった

といったようなことです。

他にもいろいろなことが考えられますが、子どものいやいやで困った時はぜひ「秩序の敏感期」を思い出してみてください。

まとめ

敏感期って結局何なの?」

もっと敏感期について知りたい!

という方には日本のモンテッソーリ教育の第一人者ともいわれる相良敦子先生の本がおすすめです。

モンテッソーリ教育について全然詳しくないという方でも、とても読みやすい内容になっており、子育て中のお父さん、お母さんにぜひ読んでいただきたい一冊です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA