【保育士になりたい高校生へ】商社OLから保育士になった私が養成学校をおすすめしない理由

こんにちは、さちこです!
私は大学を卒業して商社で5年ほど働いた後、独学で保育士資格を取得し、現在は保育士として働いています。

そんな私が保育士になった今思い出すのは、塾講師のアルバイトをしていたときに担当生徒だったリカちゃんのこと・・・

リカちゃん
リカちゃん

将来は保育士になりたいので、卒業と同時に資格が取れる学校に行こうと思ってます!

夢に向かってがんばるリカちゃんは本当に輝いていて、
「絶対いい保育士さんになれるよ~」なんて応援してたけど、今あの時に戻れるなら伝えたい。

リカちゃーん!
保育士になるために保育士養成学校に行くのはおすすめできないよ~~!

ということで今回の記事では、あの時のリカちゃんと、今現在保育士になりたい高校生に向けて、保育士養成学校をおすすめしない理由と、保育士になるためのベストな方法をお伝えしていきます。

保育士になるには?

まず、保育士になる方法は大きく分けて

  1. 保育士を養成する学校や施設で所定の課程・科目を履修し卒業する
  2. 保育士試験に合格する

以上のふたつです。

下の図を見ると、保育士養成施設で資格を取得した人の累計数は180万人であるのに対し、保育士試験に合格して資格を取得した人は48万人ということで、保育士養成施設を卒業して保育士資格を取得するほうが一般的であることがわかります。

                                出典:厚生労働省ホームページ
リカちゃん
リカちゃん

やっぱり養成学校が王道なんですね!

保育士試験って難しそうだし、卒業するだけで資格が取れる学校の方が安心です!

たしかに、保育士試験は国家資格で、その合格率は20%前後といわれています。難しい試験のように思えるかもしれませんが、この低い合格率の裏にはからくりがあるため、全く恐れる必要はありません!

保育士試験の合格率が低い理由については、こちらの記事で詳しくまとめています。

【保育士試験】合格率20%には理由がある【正しく恐れよう】

保育士養成学校をおすすめしない3つの理由

保育士養成学校に通って資格を取るほうが一般的であるにも関わらずおすすめしない理由は以下の通りです。

① コスパが悪すぎる

まずなんといっても、コスパが悪すぎます。保育士になるという同じ目的を達成するのに、保育士養成学校に通って卒業するのと保育士試験に合格するのとではかかる時間とお金が全く異なります

以下の表は、保育士養成学校(専門・短大・4大)に通った場合と保育士試験を受ける場合にかかる時間と費用を比較したものです。

保育士養成施設に通うと数百万円単位で費用が掛かる上、資格取得までに最低でも2年はかかります。

一方、保育士試験の合格を目指すのであれば、必要な学習時間は一般的に100~180時間程度といわれていますので

1日2時間 × 3ヵ月(90日) = 180時間

となり、3か月程度の勉強で合格することも可能です。
ちなみに私の場合は

1日5時間 × 1か月(30日) = 150時間

くらいの勉強量で、かかった費用は受験料と参考書3冊で4万円くらいでした。


保育士試験のプロセス・対策方法についてはこちらの記事にまとめています。

【短期集中・コスト削減】保育士試験に確実に合格するためのロードマップ

② なりたくなくても保育士になってしまう

保育士養成学校をおすすめしない3つ目の理由がこれです。

リカちゃん
リカちゃん

保育士になりたいから学校に行くんですけど・・・
なりたくないってどういうことですか?

保育士養成学校を卒業すれば保育士資格がとれてしまうので、

学校に入ってから「自分には保育士向いてないかも」とか、「いろいろ勉強してみたら思ってたのと違うし保育士にはなりたくないな~」と思っても

  • 学校に通わせてもらったのに保育士にならないのは申し訳ない
  • 保育士以外の勉強はしてないから他にできることがない
  • 学校の友だちはみんな保育士になるから、自分だけ違う道には進みづらい

といった理由で、なりたくないのに保育士になってしまう可能性が高くなるということです。

以下の図は保育士養成施設で保育士資格を取得した人の就職状況のデータです。

全施設の合計でみると、51.8%、つまり半数以上が保育所に就職していることがわかる一方で、大学卒業者の「その他」の割合は24.6%とかなり高くなっていることが見て取れます。

つまり、保育士養成大学卒業者の4人に1人は保育士ではない職業に就いているということです。

保育士養成の短期大学や専修学校においても「その他」の割合が15%前後であることから、入学時には保育士になりたいと思っていても卒業時には気持ちや状況が変わっているということは珍しいことではないということがわかります。

リカちゃん
(想像)
リカちゃん (想像)

たしかに、高校生の今と数年後では考え方が変わるかも・・・

その中でも大学卒業者が保育士ではない職業に就く割合が突出して高いのは、保育士以外の選択があることを知り、実際にその選択肢を選ぶことができる環境があるからであると考えられます。

保育士養成大学卒業者の4人に1人が保育士ではない職業に就く理由
  • 様々な学部があるところが多いので、他学部の学生と関わり、視野が広がる
  • 保育士以外の選択をする友達や先輩がたくさんいる
  • 他のことを学びたいと思えば、転学部ができる(大学によって制度は異なります)
  • 大学の就職支援センターで保育や児童福祉以外の就職先を紹介してもらえる
リカちゃん
(想像)
リカちゃん (想像)

なるほど!じゃあ保育士養成の大学に行けばいいんですね!

待ってリカちゃん、それなら一般の大学で良いんじゃないかな?

今は保育士になりたいけど、気持ちが変わる可能性があると考えるのであれば、まずは進路の幅が広い一般の大学に入り、在学中あるいは卒業後に必要に応じて保育士試験を受けるほうが良いと思います。

③ 転職を考えたとき、つぶしが効かない

保育士養成学校をおすすめしない最後の理由はつぶしが効かないということです。

ひと昔前は、新卒で入社した会社に定年まで勤めることが美徳とされていましたが、現代は転職をするのが当たり前の時代。

「保育士として一生働く!」と思っていたとしても、5年後、10年後どうなっているかなんて誰にもわかりません

気持ちが変わっていることもあれば、社会の状況が変わっていることだってあるはずです。

何らかの理由で保育士から転職しようと思ったときに

保育士養成学校を卒業後、○○保育園で5年勤務

という履歴書だと、保育業界以外への転職はなかなか厳しいのではないかと思います。

というのも

  • 保育士養成学校卒 → 保育の知識に偏っていそう
  • 保育園での勤務経験のみ → 一般企業の常識がなさそう

こんな風に思われてしまうことがあるからです。転職する人が多いということはそれだけ競争も激しくなります

もし同じような人柄や年齢で、

4年制大学保育系学部卒で保育士歴5年の A さん
4年制大学経済学部卒で事務職歴5年の B さん

のふたりがいたら、圧倒的にBさんのほうが転職には有利だと思います。(保育関連企業以外の場合)

人事担当
人事担当

ふむふむ、Bさんは即戦力として働いてもらえそうだ!

まとめ

ということで、保育士になりたい高校生に向けて ”保育士になりたいから保育士養成学校に行く” のはやめようということをお伝えしてきました。

個人的に全然おすすめはしませんが、保育士養成学校に行くのであれば4年制大学ならまだマシかな~というところです。でもやっぱり保育士になりたいのであれば保育士試験1択です★

この記事を読んで、考え方が変わったり、何か新しい発見があったりしたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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