【3分で読める】マリア・モンテッソーリの生涯

Amazon、Google、Wikipedia・・・これら世界の名だたる企業の創立者に共通するのが、モンテッソーリ教育を受けたという事実です。

モンテッソーリ教育とは?【国際協会認定教師が解説】

日本では棋士の藤井聡太さんの活躍で一躍注目を浴びました。

今回は、マリア・モンテッソーリの人生とその功績について解説します。

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信念をもった女性

マリア・モンテッソーリは1870年にイタリアで生まれました。

当時、女性への教育といえは「良妻賢母」になることを目的としたものでしたが、マリアは数学や生物学など様々な学問に関心をもっており、医師を志すようになります。

女性が大学に行くというだけでも珍しい時代に、医学を学ぶ女性というのはさらに珍しく、医学部に入学するのはとても険しい道のりで、やっとの思いで入学してからも、女性差別に苦しめられます。

男性の領域に踏み込んできたマリアに嫉妬した男子学生からは、心無い言葉をかけられ、教授から「女性の脳は小さいから、医学にはふさわしくない」と言われたことさえありました。

しかしマリアはその意志の強さで困難を乗り越え、イタリア初の女性医師となります。

子どもの発見

大学卒業後に勤務した精神病院では、障害を持つ子どもたちの収容施設の劣悪な環境を目の当たりにし「何かしなければ」と考えるようになります。

『アヴェロンの野生児』で有名なイタールやセガンをはじめ、様々な研究者の文献を読み、理解を深めていったマリアは、講演会などで障がい児教育の重要性を訴え続け、ついに、障害児のための公立の学校が設立されることになります。

そしてマリアはこの施設の運営者となり、2年間こども達の教育に携わりました。

この学校で教育を受けた子どもたちが学力テストにおいて健常児と同等かそれ以上の成績を収めたことで、社会のお荷物のように扱われていた障がい児にも可能性があることが証明されました。

マリアは、自らが考えたこの教育は健常児にも当然通用するもので、既存の教育よりも合理的であると考えるようになります。

子どもの家の開設

1907年には、イタリアのスラム街に未就学児向けの学校Casa dei Bambini (こどもの家)が設立されます。

ここで子どもたちを観察する中で、子どもたちはだらだらと過ごすより集中して過ごすことを好むということや、決まり事や美しい動きに敏感であること、褒めたり、罰を与えたりする必要はないことにも気がつきました。

さらにモンテッソーリの奇跡として世界の注目を集めたのは、子どもの読み書きに対する爆発的な能力の開花です。

識字率もそれほど高くない時代に、スラム街の子どもたちがあっという間に読み書きを覚えたことは大きなニュースとなりました。

モンテッソーリ教育は一躍大ブームに

マリア・モンテッソーリの著書の英訳が発売されると、モンテッソーリメソッドは世界中でブームを巻き起こしました。

ちょうどこの頃、離れて暮らしていた息子のマリオを引き取り、その後は行動を共にします。

彼女の教育法が国の産業化に大いに役立つと考えたムッソリーニはこれを支援し、たくさんのモンテッソーリスクールが設立ました。

しばらくの間、互いに恩恵を受け合っていた両者でしたが、自立と自由を追求するモンテッソーリの思想は国家の規律やファシズムといったムッソリーニの理想と対立を深め、イタリア全土のモンテッソーリ学校が閉鎖させられる事態に発展します。

オランダからインドへ

モンテッソーリ親子はオランダに移り住みますが、隣国ドイツではモンテッソーリの学校が自由な思想を教える学校として危険視され、すべて閉校となってしまい、彼女の著書も禁じられてしまいます。

ドイツのポーランド侵攻を機にマリア・モンテッソーリと息子のマリオはインドへ渡りました。

教育に対する理想はガンジーと共通する部分が多く、マリアはインドでトレーニングコースを開始します。

しかし第二次世界大戦時イギリス側だったインドにおいて、イタリア人であるモンテッソーリ親子は敵とみなされ、息子のマリオは捕虜となってしまいます。

マリア自身も抑留状態にありましたが、ある程度の自由な移動は許可されていたため、個人的に教師養成を行うなど、逆境の中でも精力的に活動しました。

晩年の活躍

7年という長い歳月をインドで過ごし、オランダに戻った親子が目にしたものは荒廃したヨーロッパの姿でした。

彼女のいない間に、モンテッソーリ教育の存在はほとんど忘れ去られていましたが、「未来の世界平和は教育の中にある」と信じたマリアはヨーロッパにおけるモンテッソーリ教育の再建に取り組み、再び注目を集めます。

教育に大きな変革をもたらしたマリア・モンテッソーリはオランダでその81年の生涯を終えました。

まとめ

ということで今回は、マリアモンテッソーリの生涯について簡単にまとめました。

もっと詳しく知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

【モンテッソーリ教育の提唱者】マリア・モンテッソーリってどんな人?